BibTeX

BibTeXを用いることで,データベースから自動的に参考文献リストを作成できる.

データベース

データベースとは

データベースとは

BibTexの利点

  • テキストファイルなのでコンピュータに依存しない.
  • 検索はエディタの検索命令で行える.
  • PerlやAWKで複雑な加工ができる.

処理の流れ

bibファイルの作成

bibファイルに文献の情報を書き込み,データベースを作る.拡張子はbibとする.

例(ファイル名)
test.bib
例(ソース)
\book{Leunen.1978,
author = "Mary-Claire van Leunen",
title = "A Handbook for Scholars",
publisher = "Alfred A. Knopf",
year = 1978,
memo = "memo"
}

texファイルの作成

texファイル

例(参照先部分)
\cite{Keunen.1978}
例(参照元部分)
\bibliographystyle{fplain}
\bibliography{test}

ファイルの実効

目次の項目としたい位置に次のコマンドを記述する.

LaTeXを実効
LaTeXを実行する.
BibTeXを実行
BibTeXやjBibTeXを実効する.
例(jBibTeXの実行)
jbibtex test
LaTeXを実行
再び,LaTeXを実行する.

出力

文献リスとの順番はアルファベット順に出力される.

出力例

texファイル

引用元

bstファイルと呼ばれる文献スタイルファイルと文献のデータベースであるbibファイルを指定する.ただし,bstファイルとbibファイルの拡張子は入力しない

テンプレート(単数)
\bibliographystyle{bstファイル名}
\bibliography{bibファイル名}

bstファイルとしては次の様なものがある.

bstファイル説明
jabbrv.bst著者名を縮めて出力する.
falpha.bst 
jipsj.bst 
jname.bst 
jplain.bst最も標準的なスタイルである.
junsrt.bst 

複数個のbibファイルを参照することも可能である.

テンプレート(複数)
\bibliographystyle{bstファイル名}
\bibliography{bibファイル名1,bibファイル名2,以降必要なファイルを記入する.}

引用先

citeコマンドでbibファイルに記述したラベル名を指定する.

テンプレート
\cite{ラベル名}

bibファイル

bibファイルとは文献データベースファイルである.

概要

参考文献とする文献の種類を指定し,その種類に適した文献情報を記述する.

テンプレート
\文献の種類1{ラベル名1.
文献の情報1,
文献の情報2,
以降必要な情報を記述する.,
}

\文献の種類2{ラベル名2.
文献の情報1,
文献の情報2,
以降必要な情報を記述する.,
}

以降必要な文献の数だけ記述する.

Emacs

EmacsにはBibTeXモードが存在する.このBibTeXモードはファイルの拡張子を.bibとするだけで使用できる.

参考サイトはこちらhttp://www.eis.t.u-tokyo.ac.jp/~hara/tex/tex.htmlhttp://www.fan.gr.jp/~ring/doc/bibtex.html

文献の種類

書籍や論文など文献情報を記述する.

文献の種類必須欄任意欄説明BibTeXモード
@articleauthor・title・journal・yearvolume・number・pages・month・note雑誌記事や論文誌の論文をを表わす.Ctrl + c Ctrl + e Ctrl + a
@bookauthorまたはeditor・title・publisher・yearvolume・number・series・address・edition・month・note雑誌記事や論文誌の論文をを表わす.Ctrl + c Ctrl + e b
falpha.bst 
jipsj.bst 
jname.bst 
junsrt.bst 

文献の情報

文献情報の記述の順序は出力に影響しない.

文献の情報説明備考
address主に,出版社(出版主)の住所を記入する.@proceedingsや@inproceedingsに対しては,会議の行われた場所を記述する.この時,出版社や組織の住所は,それそれpublisherやorganizationに記述する.
annote注釈付きのスタイルで使われる. 
author著者名を記述する.
欧文の著者名
author="First M. Last"
和文の著者名
author=" "
複数の著者名
author="一人目 and 二人目 and 三人目"
多数の著者名
author="一人目 and others"
booktitle  
chapter  
crossref  
edition版を記入する. 
editor編者名を記入する. 
howpublished  
institution  
journal雑誌の名前を記入する.
key著者名がないとき,並べ替えのキーとなる.
month出版月を記入する. 
note注意書きとして出力したいことを記入する. 
number雑誌などの第何巻第何号や通巻何号の号を記述する.シリーズ本の番号もここに記入する.
organization出版月を記述する. 
pages参照ページを記入する.
ページ間
区間始めのページ番号--区間終わりのページ番号
ページ間
区間始めのページ番号-区間終わりのページ番号
何ページ以降
ページ番号+
publisher出版社(出版主)を記入する. 
school  
series  
title本や論文のタイトルを記入する.アルファベットを記述する際,大文字を記述しても小文字で表記される場合がある.それゆえ,必ず大文字で表わしたい文字に対しては,その大文字を中括弧で囲まなければならない
type  
volume雑誌や本での巻番号を記入する. 
year出版年を記入する. 
yomi日本人の著者名の読みを記入する.jBibTeXでのみ使用できる. 
ローマ字
 
ページ間
 

出力されない情報をして次のようなものがよく用いられる.

文献の情報説明備考
comment注意書きを記入する. 
urlURLを記入する. 

BibTeXモード

BibTeXモードでの記入法を例を踏まえて紹介する.

  1. bibの拡張子ファイルを開く.

  2. 文献の種類に応じたテンプレートを記述する.

    コマンド入力(article)
    Ctrl + c Ctrl + e Ctrl + a
    
    出力
    @Article{,
      author = 	 {},
      title = 	 {},
      journal = 	 {},
      year = 	 {},
      OPTkey = 	 {},
      OPTvolume = 	 {},
      OPTnumber = 	 {},
      OPTpages = 	 {},
      OPTmonth = 	 {},
      OPTnote = 	 {},
      OPTannote = 	 {}
    }
    

    ここでOPTはオプションであることを表わしている.

  3. 文献情報を記述していく.

    次の項目へ移動
    Ctrl + j
    
  4. 文献の情報の入力を終える.

    記入を完了
    Ctrl c Ctrl c
    

    この時,未記入箇所は消えOPTはなくなる.

  5. ミニバッファにラベル名が表示されているので,変更があれば記入し直し,なければそのままRETを押す.

その他

ソースコード

ソースファイルの引用部分・参考文献一覧部分にそれぞれ次のソースを記述する。

  • 引用部分
  • \cite{ラベル名}
    
    \cite{unakami.2000}
    
  • 参考文献一覧部分
  • \begin{thebibliography}{最大参考文献数}
    \bibiem{ラベル名} 著者名 書籍タイトル名 出版社 発行年
    \end{thebibliography}
    
    \begin{thebibliography}{99}
    \bibiem{unakami.2000} 
    海上 忍 and 黒川 弘章, これだけでできるLaTeX実践活用ガイド, 2000
    \end{thebibliography}
    

レイアウト設定

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